たかげべら

Written by Takahito KIKUCHI

2024年の技術広報的な活動を振り返る話

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こちらは「技術広報 Advent Calendar 2024」シリーズ2の12月22日ぶんの記事です。

qiita.com

2023年に引き続いての参加ですが、2024年のアドカレは勤務先である株式会社ヘプタゴンの技術広報活動全般に焦点を当て、1年の振り返りを行います。

昨年は2024年3月に立ち上げた、地方のクラウド活用推進を加速する企業間コミュニティ「re:light local」につながるヘプタゴンの対外活動をまとめた内容を寄稿しています。こちらも是非お読みください。

takagerbera.com

技術広報的な目線で見た、2024年のヘプタゴン

2024年のヘプタゴンを技術広報目線で見た場合、以下のような変化がありました。コロナ禍が終わった直後で手探り状態が続いた2023年と比較して、2024年は経済活動が活動が完全に戻った後という要因はあるでしょうが、こうして振り返ると本当に色々やったと思いますね...。

  • 支援事例の公開件数が1年で1.6倍に増加 (3件から6件に)
  • マスメディア、ネットメディアへの露出が1年で3倍に拡大 (4件から12件に)
  • 招待、個人登壇を含むコミュニティイベントへの参加拡大 (15件)
  • 企業間コミュニティ「re:light local」の立ち上げと各地でのイベント開催
  • AWS ジャパンが主催する最大の展示会「AWS Summit Japan」へ初出展
  • 代表が企業や学校、自治体が主催するクローズドなセミナーへ講師として多数参加
  • スポンサーをしているサッカーチームが主催する地域貢献イベントへ出展
  • 会社としては初となる「支援事例集」の公開

数ある打ち手の中でも一番の変化は「AWS Summit Japan への出展」と「『支援事例集』の公開」の2つでしょうか。コミュニティイベントや会社がある青森県や東北地方での露出拡大と比較すると、これらは準備から効果が現れるまで多くのお金と時間を要する「ハイリスク・ハイリターンな投資」なので、こうした少し遠い未来へ会社としてチャレンジする意思決定ができたのは大きな変化だと、個人的には感じました。

そのような変化がありつつも、コミュニティイベントへの参加が衰えることなく続けられる組織は維持できているため、今後もこれが続けられる組織作りをしていきたいなと考えてます。

地方企業でも来場者に響くアプローチができた「AWS Summit Japan」

ここからは先ほど紹介した2大トピックについて個別に紹介。

まずは「AWS Summit Japan 2024 への出展」ですが、一番困難を極めたのは「出展コンセプト」と「目標リード数」の設定です。

主催の AWS ジャパンから事前に頂いた情報や2023年イベントの開催報告から、概ねの来場者数や来場者属性を予想し、目標設定したのですが、その際に「自身が首都圏外の企業であること」が一番の不確定要素として立ちはだかりました。出展企業も来場者も「首都圏に拠点を構える企業」が多数を占めるため、主要なお客様が地方である私たちの訴えがどこまで刺さるか...は最後まで議論の対象であり続けたのを今でも覚えています。

最終的には「過去のビジネスを否定せず、自社のポテンシャルを試す意味でも『地方』を主軸にしよう」ということで、出展コンセプトや想定ターゲット、ここから算出した目標リード数が決定し、イベント当日に。

蓋を開けてみると「地方でのゲームチェンジのヒントがここに!」というコンセプトは首都圏に拠点を構える企業にもそれなりに刺さり、目標リード数獲得だけでなく re:light local の活動に共感してくださる企業さんが増えるなど定量・定性双方でそれなりの成果を創出。案件創出面での評価こそ難しいところはあるものの、今後のイベント出展におけるベンチマークとしては良いものを残せました。

2025年はどうするか現時点で未定ですが、今回の学びを生かせる場面は多そうなので、機会が来たらまた頑張れればと思っております。

あ、終わった今だから話しますが、来場者へお配りした「お米のノベルティ」のラベルデザインは私が担当です。まさかペットボトルのラベルデザインをするとは思わんだ...。

初の本格的なダウンロード資料「支援事例集」

次は「支援事例集」ですが、定期的に行う社内のマーケ系担当者会議で「支援事例をもう少し能動的に使えないか」と発言したメンバーがいたのが実施のきっかけ。

社内で検討し始めたタイミングと時を同じくして「地方」「中小規模」「システムインテグレーター」の3要素を含む事例が新規に公開される運びとなったため、この最新事例と似た属性を持つ企業や支援内容を集めて一つの資料を作ろう!となって完成したのが、この事例集です。

意思決定そのものはスピーディーだったものの「多くの方の手に取ってもらう資料」かつ「(コミュニティイベント登壇などの資料と比較して) やや格式の高い資料」という点から、作成・公開にあたって「資料のデザイン」が最大の壁に。こちらは親会社・デジタルキューブ擁するデザイナーチームの助力を得るという、グループ間の人材交流を生かした方法で比較的短時間のうちに解決。

会社のウェブサイトに掲載されているお知らせの通り、2024年12月に実施した日が浅い打ち手のため成果は未知数ですし、どちらかというと営業寄りの施策ですが、日々エンジニアが汗を流して取り組んでいる営みを事業拡大に活かすチャネルの拡大事例としては新しいチャレンジができたのではと思っております。

ヘプタゴンの PR TIMES より引用。日本国内の toB ビジネスは事例が重要と言われているので、チャネルが増やせたのは本当に大きい。デザイナーチームの協力に感謝。

成果と今後の展望

これら広報活動の成果ですが、どちらかというと営業・マーケ系施策が中心のため事業貢献がメイン。ありがたいことに何とか事業継続および成長はできているため、日々の技術広報活動の成果が出ている...と思いたいところ。

また、採用や re:light local の活動にもその成果の一部が及んでいると考えられ、それらについては他のアドベントカレンダー記事で触れている通りです。

takagerbera.com

takagerbera.com

今後の展望ですが、2024年の打ち手が営業・マーケ系施策に寄りすぎていたので、2025年は「既存社員の成長実感」や「所属して良いと思える会社」に繋げる情報発信 (いわゆるインナーブランディング) を少し意識した打ち手を取りたいと個人的には考えています。具体的には「お客様や社外の方の声が見える打ち手」の実施ですかね。具体的に何ができるかのイメージは未だついてませんが、会社から外へ伸びる矢印と外から会社へ伸びる矢印の強さがバランスする「情報のよい循環」が生み出せると、広報だけではない全体の組織力 (ケイパビリティ) 向上に貢献できる...気がする。

技術広報というと営業やマーケティング、採用、コミュニティ活動が主軸ですが、それらを抱合した組織作り全体にも影響のあるロールだと思うので、2025年もこのような目線を忘れずに日々活動できればと思っております。

Backlog World 2024で登壇してきた話

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こちらは「Backlog Advent Calendar 2024」18日目の投稿です。

adventar.org

この記事では、2024年12月14日に神奈川県横浜市で開催された「Backlog World 2024 in Yokohama 〜Grow Together〜」に参加・登壇した感想などを紹介します。

jbuginfo.backlog.com

2024年8月から続く有志のイベント登壇ラッシュも、国内最大の Backlog ユーザーコミュニティ「JBUG」が催す最大級のイベントであるこちらで最後。無事2025年を迎えられるような発表になったのでしょうか...?

当日の発表内容と四方山話

イベントでは公募セッション採用枠として「フルリモートワーク×ハイパフォーマンスを支える企業文化とタスク管理」で発表を行いました。15分という短い発表枠をギリギリまで使用し、お伝えしたいことを詰めに詰め込んだパワフルな内容だったかと思います。

www.docswell.com

それもそのはずで、発表内容は2024年10月に実施した「JBUG 東北 + JAWS-UG いわて」のものがベースだから。当時30分で話した内容を15分で収まるよう再編成したものなので、ギリギリになるのは想定の範囲内と言えるでしょう。

ただ、当時の発表は一つだけ心残りがありまして、それは「組織的な課題を突破するタスク管理術にまで至れてなかった点」。

組織運営のスタンスや SaaS 活用、個人への権限委譲を推し進めるマクロ・マネジメントなどには触れられたものの、より具体的なマネジメント術まで至れていなかったのは JBUG へのアウトプットとしてどうなんだ?イベント当日は好意的なフィードバックを頂けたものの、より多くの方の目に触れたときどう思われるだろうか?と、ひっっじょ〜に悩ましく思っておりました。その悩みっぷりは、Backlog World へのプロポーザル (CFP) への応募を締め切り1時間前までためらうほど。

最終的には「落選した所でダメージゼロだから、来ないかもしれない次のチャンスを CFP を出さずに待つよりも、少しでもチャンスを掴める可能性に賭けよう!」というポジティブ思考で CFP を提出し、今日に至ります。公募採用の連絡を頂いた時は千載一遇のチャンスを頂いた気分になりましたね。

公募が決まった後は「当時の発表で足りない部分」を埋めながらアウトラインを組み、発表時間内で収まるよう蛇足と思われる内容を省略するなどして調整。手前味噌ですが、勤務先である株式会社ヘプタゴンの皆さんは優秀な方ばかりなので「フルリモートワーク/フルフレックスに由来するチョンボが意外と無いぞ...?」と思いつつ、聞き手の共感を引き出せる内容をお届けできる資料に仕上がったと思います。

こうした背景が伝わったのかどうかは定かでありませんが、当日は同僚に加えてグループ会社であるデジタルキューブからも応援が駆けつけたり、他の JBUG や JAWS-UG などでお会いした方から応援のメッセージを頂いたりして大変励みになりました。加えて、登壇終了後には聞いてくれた方や他の登壇者の方から感想を頂けるなど、こちらも大変ありがたかったです。

参加者を Grow させるはずが、私が一番 Grow していた

本記事を執筆している今、一言で Backlog World を振り返るとこのような感じ。

最後の最後まで悩みましたが、チャレンジして本当に良かったと思える機会になりましたね。

熱烈なファン...もといガヤの皆さん。登壇中のXを盛り上げてくださったので、大変心強かったです。

しかし、発表の中に仕込んだネタ要素*1をちゃんと拾ってくる JBUG の X 運営は何者なんだ...?

他のセッションの感想など

ここまでは私の発表に関する内容でしたが、ここからは他のセッションの感想などを紹介します。

サービシンク名村さん「チームを楽に、プロジェクトを早く進めるためのBacklog」

午前中のセッションで一番印象的だったのはこちら。イベント中に X で投稿したとおり、名村さんはご自身で開かれているセミナー「誰がどう見てもそうとしか受け取れない文書術」を通じて存じ上げておりまして、講演を生で聴けるのを楽しみにしておりました。

その根底にある思想も含めて、よい意味での「言語化と情報伝達の鬼」という印象は Backlog World でも覆らず、タスク管理ツールを使う大前提の話や「記憶に頼らない仕事術」を実現する Backlog 活用など、とても参考になる話ばかりでした。惜しむらくは講演が終わった後、すぐに出られたのでご挨拶できなかった所。これは、そのうちご一緒できる日を夢見てアウトプット継続ですね...!

ティネクト安達さん「『頭のいい人が話す前に考えていること』〜プロジェクトで『信頼』を生む技術〜」

午後のセッションで印象的なのは沢山あるのですが、基調講演として披露されたこちらは共感できる内容ばかり。触れられた内容は私自身、日頃心がけているものなのですが、改めて言語化されると自身では気付けなかったことや「この要素なら人に伝達できるかもしれない」と思えることなど、新しい発見が多かったです。

デジタルキューブ恩田さん「人材開発の観点で活用するBacklog」

こちらはグループ内部の話なので日頃業務で見聞きした話題が題材になっているのですが「動機付けになるような新しい機会の提供」「適切に介入し続けながら見守り続ける」など、人材開発というフィルターによる気付きが多い内容でした。

他のアドカレで触れた通り、ヘプタゴンは組織フェーズ変化の真っ只中なので、グループ内ではあるものの一歩先行く先人の知見はためになるとしか言い様がありません。

また、2024年11月の CMC_Meetup 仙台 Vol.2 でもご一緒したピー・アール・オー河野さんも恩田さんと同じ領域の方のようなので、一度ざっくばらんにお喋りしてみたいですね。

Good Project Award 2024

セッション以外で印象に残っているのはこちらでしょうか。これは Backlog を提供する株式会社ヌーラボさんが行う、チームコラボレーションとその成果の観点から、2024年で最も素晴らしいプロジェクトを表彰する催し。

nulab.com

その最終プレゼンがこの Backlog World で行われたのですが、レギュレーションや審査プロセスを含めて思った以上に本格派のビジネスピッチで驚きました。優勝はユニフォームネクストさんの「営業DXプロジェクト」に決まったのですが、どのプロジェクトも背景となる課題と物語があり、JBUG というか Backlog の懐の広さを垣間見た気がします。

おわりに

応募締め切りまで CFP の提出をためらっていたほどの Backlog World 2024 in Yokohama でしたが、イベントを終えてみると大満足の内容。

セッションの内容がどれも素晴らしかったのは言うまでもありませんが、公募という機会を通じて、自身に矢を向けられたのも大変良い学びになりました。

多種多様な学びの機会を得られるのがコミュニティの良さだと改めて感じましたので、同様の機会は今後も積極的に活用していきたいです。

貴重な機会をいただけた Backlog World 2024 運営およびスポンサーの皆様、ありがとうございました!

*1:元ネタは機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY より「ソロモンよ、私は帰ってきた!」

すくすくスクラム仙台「LeSS版スクラムガイドをみんなで読んでみよう!」に参加した話

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2024年11月20日に開催されたすくすくスクラム仙台「LeSS版スクラムガイドをみんなで読んでみよう!」に参加してきました。

suku3rum-sendai.connpass.com

すくすくスクラム仙台さんは自社以外のエンジニア職の方とダベりに時折参加してるのですが、この手のイベント申し込みを管理する connpass の参加履歴を見ると2024年4月以来の参加だったようです。

久しぶりの参加となる今回は Ken Schwaber 氏と Jeff Sutherland 氏が出版したスクラム界のバイブル「スクラム公式ガイド (英語だと単に "Scrum Guide")」を、大規模スクラム(Large Scale Scrum、略して LeSS) に適応させた「LeSS 版スクラム公式ガイド」の読書会を実施。

一応、過去の職場で「スクラムっぽいアジャイル開発」を体験したことのあるレベルの私ですが、何とか食いつき、通常版と LeSS 版のエッセンスの違いが理解できたので、その辺りをこの記事では紹介しようと思います。

また、過去記事には今回以外のすくすくスクラム仙台に参加した感想を載せてますので、こちらも是非ご覧ください。

takagerbera.com

takagerbera.com

そもそも普通のスクラムと LeSS は何が違うのか

まず今回参加した勉強会の感想を紹介する前に、普通のスクラムと LeSS は何が違うのかを、私が理解できた範囲で紹介します。

LeSS は、抽象化により「1チームで行うもの」という普通のスクラムの前提を取り払い、スクラムの原則を保ったままプロダクトレベルや組織レベルの大規模開発組織に適用可能としたフレームワークと理解できました。LeSS によって抽象化されているものは様々あり、勉強会を通じて「ここは抽象化されているな」と私が認識できたものには以下があります。

  • プロダクトゴールではなく「プロダクトビジョン」(具体的な到達点から理想像への抽象化)
  • デベロッパーではなく「チーム」(個人単位から機能組織単位への抽象化)
  • プロダクトオーナーの役割が、通常のスクラムと比べて顧客や事業に対する志向性が強くなっており、プロダクトマネージャー (PdM) に近しいものとなっている (視座が高い役割を与えられたことによる抽象化)

大規模スクラムといえば「Scrum@Scale」や「SAFe (Scaled Agile Framework)」などが知られておりますが、LeSS はそれらと比較してスクラムの原則に則ったシンプルさが特徴で、反面「現状の (開発) 組織とどう折り合いをつけるか」が導入時の課題と言えそうですね。

また、LeSS はスクラムに参加するチーム数が2〜8の場合を想定しているフレームワークで、それ以上の場合は LeSS を更に大規模向けへ発展させた「LeSS Huge」と呼ばれる別のフレームワークを用います。

読書会を行っての感想

読書会を通じて交わされた意見をまとめた付箋

読書会は参加者を3人組または4人組に分けて実施。グループで30分程度インプットの時間を設けた後、感想や疑問に思ったことを相互に言い合い、その内容は付箋にまとめられ、勉強会の最後で代表者が全員へ共有するという流れで進行しました。

私が居た集まりでは、先述した「抽象化」に関する話題のほか、スクラムマスターの役割に「自己組織化したチームを作る」といったような組織開発的な役割が付与されている点や抽象化によってスクラムチームという概念が削除されている点 (では LeSS で集まっている単位はなんと形容するか?) 、ほかにもスクラムの基礎から「リーン思考」が消え「経験主義」のみになったのは何故か、など様々な議論が。

中でも一番議論が深まったのは「どういう組織に LeSS を適用すれば、生産性が高まるのか」というもの。受託っぽい組織だとなかなか適用できないよねとか、ライフサイクルが長いプロダクトの組織だと良さを生かしきれないのではないかとか、開発者目線でのチーム/組織作りの考え方を聞けて大変刺激になりました。はやり時折ダベりに行くのは良い。

おわりに

勉強会を通じて LeSS とその源流たるスクラム公式ガイドの考え方に触れ、フレームワークの善し悪しについて久しぶりに考えさせられた時間でした。

過去の職場でアジャイル開発をしていたとき「うちのチーム、なんちゃってスクラムだよな...」と思いながら日々過ごしていたのを覚えているのですが、その事実が「スクラムの原則と現実との折り合いを付けた結果」と捉え直した場合、当時の私はスクラムの原則から何を取捨選択しているかを理解できていなかったのかもしれません。

今後もこうしたインプットを通じて新しい学びを得るとともに、内省と振り返りを通じた自身のアップデートを続けていきたいですね。

登壇で広がる私の世界 -Connecting the dots-

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こちらは デジタルキューブグループ Advent Calendar 2024 1日目の記事です。

初日はヘプタゴンでビジネスデベロップメントを担当する菊池が担当します!

デジタルキューブグループ アドベントカレンダーは2022年2023年に続く3回目。

2024年は Qiita だけでなく デジタルキューブグループ note で行われる非エンジニア版もありますので、こちらも是非お読みください。

さて、2024年のヘプタゴンは生成 AI を活用した新サービスが登場したり、が続々入社したり、複数の会社を巻き込んだコミュニティが立ち上がったり、デジタルキューブと共に TOKYO PRO Market への上場を果たしたりとイベントが盛りだくさんの年でした。

その中には「縁が紡いだ出来事」と感じられるものも多く、会社が積み上げた歴史とその先の革新との間に立っているのをひしひしと感じます。

そんな「縁が紡いだ出来事」で未来が変わるのは会社だけでなく、個人にも言えることです。

過去の積み重ねで今があり、今の積み重ねでしか未来はつくれません。

この記事では「イベントへの登壇」をテーマに、これが個人の経験に与える影響と、その積み重ねで作られる「Connecting the dots な世界」について紹介します。

2024年の登壇遍歴

2024.10に開催された JBUG 東北で登壇している光景

2024年、私は7つのコミュニティイベントで登壇・発表を行いました。

今はエンジニアとして動いておらず、経営管理、事業開発がメインミッションのため、こうした場でアウトプットするのは、ヘプタゴンの企業活動を通じて生まれた知見やノウハウが中心になります。

ヘプタゴンは「コミュニティフルコミット」を掲げ、技術コミュニティへの参加を全面的に認めているのですが、ビジネス職であってもエンジニアと同等の機会を頂けるのはありがたい話です。

登壇がもたらす、個人の経験への好影響

外部イベントへの登壇は、発表資料作りや後述するプロポーザル内容の検討、発表時間や緊張、そして喉の痛みなど、様々なものとの戦いが待っています。

これらが面倒くさくて「登壇はちょっとハードル高い...」と感じる方の気持ちは理解できます。

しかし、登壇を通じて得られるものは、次に書く3つの要素のような、他に代わりがなく大きいものばかりなので、沢山の方に挑戦して欲しいです。

1. 脳みそに汗かく経験

私は発表資料を作る際、まずアウトライン (概観) を作ってから細部を詰めるスタイルを取っています。

こうすると発表の全体像を俯瞰できるため効率が良いのですが、このとき「当日はどう喋ろうか」とか「このスライドはここに持ってきた方がより映えるかもしれない」など、人前に立つ自分自身をよく想像しています。

私自身が理詰めの思考スタイルなので、話そうとしている内容が論理的に破綻していると言葉に詰まるんですよね。

資料作りと並行して登壇のセルフ・シミュレーションを繰り返すことで、発表内容のブラッシュアップが進むだけでなく、話す内容や背景知識が自身の血肉として徐々に馴染むのを感じます。

こうした「脳みそに汗かく経験」を通じた自身のレベルアップは登壇はじめ、外部へのアウトプットでしか得られない経験ではないでしょうか。

2. 客観的な評価による「外のモノサシ」

自身の経験や知見を外部にアウトプットすると、その内容は否応なく第三者の目線にさらされます。

SNS での拡散が積極的に行われているイベントならば、アウトプットした内容がインターネット上にいる多数の方の目にも留まるのは想像に難くありません。

技術コミュニティへ参加される方の大半は暖かい方ばかりなので「いいね!」「面白い!」といったポジティブな評価が殆どなのですが、時には「うーん、イマイチ...」「こっちの方がもっと凄いぜ」というネガティブな評価をされることもあるでしょう。

ただ、いずれの評価も外部へのアウトプットを通じてしか得られない経験です。

だって、普段の仕事では同僚や上司からの評価しか得られないでしょ?

こうした第三者目線による客観的な評価、いわば「外のモノサシ」を知るのは、自分自身を変える原動力に繋がります

なんせ一人で変えられるのは自分自身しかありませんからね。

3. 戦友と書いて「とも」と呼ぶべき仲間たち

登壇をはじめとする外部へのアウトプットを続けていくと、なぜか自然と仲間が増えていきます

コミュニティへの貢献を通じて「共同体の一員」として認められるのか、はたまた登壇者の間での連帯感が生まれるのか定かではありませんが、仲間がどんどん増えていくんです。

こうして生まれた、戦友と書いて「とも」と呼ぶべき仲間たちは一生涯の財産になり得る存在です

戦友 (とも) の皆さんは自身と比較して経験豊富だったり、技術的に尖ってたり、独特の世界観を持っていたりと何らかの優れた要素を持っており、尊敬に値する方ばかり。

弊社代表の立花も戦友 (とも) の一人であり、この縁がなければ私はヘプタゴンに居なかったでしょう。

私と立花の縁、そしてヘプタゴンへ入社する一連のストーリーは社員インタビューで触れておりますので、興味があれば是非お読みください。

heptagon.co.jp

プロポーザルを書くときのコツ

2024.03に開催された JAWS DAYS 2024 での登壇 (JAWS-UG公式Xアカウントより引用)。これが初のプロポーザル通過で得た登壇機会。

登壇自体は昔から行っていたので慣れているのですが、2024年初挑戦だったのが「事前にプロポーザル (提案書) の提出が必要なカンファレンスに出る」こと。

2024年12月1日時点で開催されていないものを含めると、2024年は「JAWS DAYS 2024 - LEAP BEYOND」と「Backlog World 2024 - Grow Together」の2つがこれに該当します。

私の提案が採択されたカンファレンスはいずれも、主催するコミュニティが行うなかでは最大規模のもの。応募の倍率はそれなりに高いはずなので、採択は狭き門と言えるでしょう。

しかし、大型カンファレンスでの登壇で得られる成功体験は本当に得がたいものなので、できるなら全員が経験してほしい...!

そこで、私がカンファレンス登壇のプロポーザルを書くときに気を遣ったことをいくつか紹介します。先ほど紹介した「登壇で得られるもの」のうち「脳みそに汗かく経験」の具体例として、是非参考にしてください。

  • 簡潔かつ聴講者が自分事化しやすいタイトルをつける
    • 審査する方の自分事になる (≒ 共感を得る) タイトルだとベスト
    • 長すぎたり横文字・英語が多かったりすると、そもそも読まれない
  • 会社での取り組みを題材とする場合は、取り組み全体から「全ての人の学びになる」エッセンスを抽出する
    • 再現性が薄いと判断された場合、前述した「自分事化」には繋がりにくい
    • 守秘義務に違反しそうなど、イベント運営目線でトラブルのリスクが高く見える内容は採択しようと思わないはず
  • 事実 (Fact) だけでなく物語 (Story) や経験 (Experience)、展望 (Future) を盛り込む
    • これらを盛り込むことで、審査する方に「なぜ私がそのイベントで話すのか?」を証明する
    • 誰でも話せるような内容に留めると、イベントでわざわざ採用する理由がない
  • 既存の発表資料など、参考となる資料があるならプロポーザルに添付する
    • 審査する方のイメージを膨らませるのに繋がるため、加点要素になりやすい

おわりに - Connecting the dots な世界は続く...

登壇や外部へのアウトプットで得られた縁に導かれた世界、いわば「Connecting the dots な世界」は今の私の人生を華やかに彩っています。

普段は仙台にいる私ですが、東京だけでなく北海道や福岡など、日本全国に仲間ができたのはコミュニティへの参加があってのことです。

そして、今在籍しているヘプタゴンとデジタルキューブとの出会いもコミュニティ無くしてあり得ませんでした。

出会った人との縁に感謝し、2025年も積極的なアウトプットを続けていこうと考えています。

この記事を読んでイベント登壇や外部へのアウトプットに興味を持つ方が一人でも増えてくれれば幸いです。

もし、同じイベントで登壇することになったら、ぜひお話ししましょう!

JAWS-UG富山#1 + JAWS-UG北陸新幹線#2で登壇してきました

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2024年9月28日 (土) に富山県富山市で開催された「JAWS-UG 富山 #1 キックオフ + JAWS-UG 北陸新幹線 #2 」で登壇・発表してきました。

jawsug-toyama.connpass.com

JAWS DAYS 2024以来となる2024年2回目の JAWS-UG 勉強会は、なんと富山県。

加えて地方支部立ち上げを記念する特別な会という、大変名誉ある所にお呼びいただけて大変光栄の限り。

本記事では私の発表内容に加えて、勉強会の模様やそこで感じた諸々などを簡単にご紹介します。

今回の発表内容

今回は「クラウドで地方は輝ける!東北から実現するビジネスのゲームチェンジ」というテーマで、弊社こと株式会社ヘプタゴンの事業と、これを通じて描くストーリーについて紹介。

代表の立花が使用するスライドの構成をベースに、紹介する事例を生成 AI を活用した最新事例にアップデートしたり、2024年8月5日に参加・登壇した DevRel/Tokyo #95 での発表資料の一部エッセンスを組み込だりして資料化しています。

www.docswell.com

イベント公開時点では登壇枠に私の名前はなかったのですが、運営スタッフの中で「地方 × AWS といえばヘプタゴンさんですよね...呼びたくない? 呼ぶしかねえよなぁ!?」というやりとり (一部誇張あり) があったようで、色々調整を経て急遽登壇枠に組み込んで頂く運びとなりました。

会社を代表して答えられる立場にありませんが、企業理念に基づき成すべきことを行っている中で、このような評価を頂けるのは大変ありがたい話です。

また、登壇中に行われた参加者の X で行われた各種投稿を見る限り、好意的な反応を頂けているだけでなく、終了後の懇親会でも「地方に何か貢献したいと考えている中で、こんなやり方があるなんて感銘を受けました!」というお声も。

エンジニアではない私が「技術系の勉強会で事業の話を行い、どうエンジニアのマインドを動かすか」という点に課題こそありますが、参加者から頂いた声を受けて「会社の事業に対して自信を持って良いのだ」と元気をもらいました。

この度は貴重な機会をいただき、本当にありがとうございました。

終わり際に「東北から来られるのは大変かもしれませんが、またお話ししに来てください!」と、これまたありがたいお言葉を頂きましたので、もしかしたら近いうちに北陸で発表第2弾がある...かもしれません。

なお、資料内で触れた「生成 AI を用いたインタビュー体験事例」については、ABA 青森朝日放送「KICK OFF! AOMORI」2024年10月5日オンエアにて詳しく紹介されました。

番組の模様は YouTube「J リーグ公式応援番組チャンネル」よりオンデマンドで見られますので、是非ご覧ください。

www.youtube.com

その他の発表やイベントの模様

そんな本イベントですが、支部立ち上げ初回のタイミングに関わらず、定員30名が早期に満員となる盛況ぶり。

しかも参加者のほとんどが富山県内の方。首都圏以外の勉強会は集客難度が1.5倍くらいと言われる中でこれは凄い!

私以外の発表は AWS サービスに対する Tips から勉強会運営ハウツーにハンズオン、ライトニングトーク (LT) と、2010年前後に多い印象があった "好事家が集まってワイガヤする" 古き良き IT 勉強会を感じるバラエティに富んだ内容。発表者としてだけでなく、いち参加者としても楽しませてもらいました。

これを実現できたのは運営スタッフの中にハブとなる方がいらっしゃる、スポンサー企業をはじめとする富山に拠点を置く IT 企業がコミュニティに対して理解がある、AWS がコミュニティ支援に対して積極的...など外から考えられる理由はいくつかありますが、何にせよ今後の盛り上がりが期待できるポジティブな空気に包まれていた大変良い勉強会だと感じています。

エンジニアの地方回帰?地方エンジニアが抱えるモヤモヤと抱える想い

発表内容の箇所でも少し触れましたが、休憩時間や終了後の懇親会で「(一般に IT 化やデジタル化が遅れていると言われている) 地方をどうにか変えたいと思っているんです」という声を多く頂きました。

このようなコメントを頂くのは概ね発表内容のせいだと思いますが、富山のエンジニア達の言葉に込められた熱量に嘘偽りは無かった、とも感じています。

なぜ、彼らがそのような想いを持っているのか。

それはひとえに「地元も IT も大好きだから」に他ならないでしょう。

家庭の事情などで地元から離れられない、もしくは UIJ ターンされた方も居るとは思いますが、大好きな地元で、大好きな仕事ができれば幸せなのは言うまでもありません。だからこそ地方を取り巻く様々な「負」を克服して、事業環境を良くしたい。このような志が生まれるのは自然な事だと思います。私も転職して数年は東京で生活し、数年のモヤモヤから同じ想いや考えにたどり着き、東北へ戻ってきたタチなので、この気持ちには共感しかありません。

しかし地方は首都圏や東名阪ほど市場が成熟していないので、志を叶えようにも仕組みがない。前例もない。何をすればよいのかわからない。

この「地元でも感じるモヤモヤ」を発散する場として、また地方の IT 勉強会が盛り上がることは非常によい傾向だと私は見ています。少しでもプラスになる行動を起こすのは、決して無駄ではありません。

クラウドをはじめとする基幹テクノロジーのコモディティ化やリモートワークの普及など、地方でも IT 産業が活発化する材料は揃いつつあります。あとは多くの人が持つ想いを乗せられる仕組みを整えるだけ。

発表内で紹介した「re:light local」は、そのやり方の一つとして私は位置づけてます。

heptagon.co.jp

私および弊社らの発表を見聞きした方の心に、少しでも灯がともったのであれば、それだけで満足です。

私たちはそうした小さな積み重ねを広げるために、今後も東北から地方のクラウド活用をリードし続けます。

当日の発表では時間の都合で出来なかった宣伝

発表者としても参加者としても満足している本イベントですが、その余韻覚めやらぬ中で、また発表・登壇があります!

登壇するのは、2024年10月19日に岩手県盛岡市で開催される「JBUG 東北 in いわて JAWS-UG いわて コラボ開催!!〜仕事の “うまい” 進め方をシェアしよう!〜」です。3年連続、年イチ盛岡達成

jbug.connpass.com

イベントでは JBUG (Japan Backlog User Group) のセッションで登壇・発表を実施。

フルリモートワーク×ハイパフォーマンスを支える企業文化とタスク管理」というテーマで参加者の皆様へ学びをお届けします。

どうぞご期待ください。

DevRel/Japan Conference 2024 に行ってきた話

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2024年9月14日に東京・お台場で開催された「DevRel/Japan Conference 2024」に行ってきました。

devrel.connpass.com

行く契機は以前の記事で紹介したとおり、こちらの CFP (Call for Paper) に応募したことから。今回は惜しくも落選してしまい、イベント聴講のみになってしまいましたが、エンジニア組織もしくはエンジニアを価値の中核としたコミュニティの実践者の発表は大変実のある内容だったため、感想とともに紹介したいと思います。

なお、落選してしまった私の CFP は、2024年8月5日に行われた「DevRel/Tokyo #95 〜アンカンファレンス〜」で資料化して発表しています。こちらもよろしければご覧ください。

takagerbera.com

また、同イベントの会期中に行われた X の投稿は以下 Togetter でまとめられています。

togetter.com

KTさんの基調講演から見る「ビジョナリーなコミュニティ・リーダー」育成の難しさ

本イベントの基調講演として、Snowflake の KT さんより「DevRel こそプロダクトが愛され発展する厳選」というテーマで、ご自身がコミットされた Data Saber を中心とするコミュニティ・マーケティングにおける「あるべきコミュニティの姿」とも言える話が披露。

熱量高く語られた講演の内容はどれも素晴らしいものだったのですが、中でも「チャンピオン」と呼ばれる活動推進の中核となり得る人物を、如何に作り出していくのか?という話題は、現在置かれている私自身の境遇において、とても考えさせられるものでした。

講演の中で「チャンピオン」は「対象の分野、サービスに関するスキルが極めて高い人」と「物事を進める推進力が極めて高い人」の概ね2つに分かれ、これを両方兼ね備えている「真のチャンピオン」は天然記念物並に貴重とのこと。そして、真のチャンピオンの存在に頼らずコミュニティを持続的に残すためには、情熱と仕組みを分けて継承するのが必要とも。

この辺りの話は現在勤務している株式会社ヘプタゴンの会社運営において、重要な話な気がしていて、大変興味深かったです。特に弊社代表の立花は「経営者」「優れた AWS エンジニア」「AWS コミュニティにおけるインフルエンサー」という3つの顔を持つため、完全再現が難しい "個人の素養" に頼っていては将来起こりうる事業継承などで大きなリスクになり得ると考えています。

無論、こういったリスクを最小限に抑えるためにやれることを行うのが私の職責なのですが、たくさんの人がいる以上、情熱だけでも仕組みだけでも人は動かないのが難しいところ。

内外環境など「目に見えない力」を如何に予測し、次世代への継承に向けた手を打つか。

KT さんの話にはコミュニティだけに留まらない「人が集まるところ」全てに関する課題意識が詰まった話だったと感じています。

部門・組織を越境したインターナルな DevRel 事例

本イベントは2トラック制となっており、ランチセッション以降は複数の講演が並列で実施される形態に。私は会場となった docomo R&D OPEN LAB ODAIBA の大スクリーンが特徴的な Bridge トラックにずっといたのですが、そちらで披露された NTT コミュニケーションズ 小倉さんの社内事例が印象に残りました。

小倉さんは NTT グループ由来の封建的な風土が色濃く残る会社において、如何にエンジニアの生産性を高めていったのかを事例形式で話されていました。エンジニアのわがままをただ関係部署にぶつけるだけでなく、話していることは会社全体の課題とリフレーミングし、相手方が譲歩できる条件を引き出して制度まで落とし込んだプロセスが非常に素晴らしいと感じています。

この後に行われたセゾンテクノロジー 山崎さんの講演も社内の巻き込みという点で類似の内容が多く、既にあるものを変えていくことの難しさと、対話や課題のブレークダウン、リフレーミングの重要性をここでも感じましたね。

DevRel と KPI の難しい関係

本イベントの公演で度々語られたのが、DevRel 活動とマーケティング上に KPI (Key Performance Indicator) との関係性。

冒頭で紹介した KT さんの基調講演だけでなく、本イベントの主催である MOONGIFT 中津川さんの講演やクラスメソッド小山さんの講演でも触れられるなど、分野は違えど悩みは共通しているのが窺えます。

悩みの根幹にあるのは、やはり DevRel で創出したい成果と KPI として設定される成果の時間軸が異なる点でしょう。所属する組織や目標に対する方針によって異なりますが、一般的に KPI として設定される成果は比較的短期で、なおかつ計測可能なものになりがち。

一方、DevRel で創出したい成果は「熱量の高いコミュニティをつくる」「ユーザーとの "緩い繋がり" を形成する」「生のナレッジ共有・蓄積を通じて、改善のヒントに繋げる」など、中長期での達成が期待されるものかつ数値化しにくいものばかり。

特に事業戦略の一環として DevRel 的な活動を行う場合は、KPI として組織から設定される短期的な目標をクリアしないと活動縮小・廃止の可能性が出てくるため「DevRel の本質と短期的な成果のジレンマ」にどなたも悩まされているのが、本イベントで垣間見えた気がします。

講演内では「いくつか進めている施策のうち、数値化できるもの・達成可能性の高いもので落とし所をつける」「自部門でコントロール・測定できる要素を KPI として設定する」「中長期的な目標はトップダウンで決め、変更されにくいようにする」などいくつかのソリューション提示もありました。内容を改めて見てみると、既存と対立するような戦略的な新規事業を始め、推し進めるときに取るべきやり方と同じものを感じますね。

スポンサーブースも大盛り上がり!

また、本イベントには趣旨に賛同する企業がスポンサーとして支援しており、うち数社がブース出展を実施。どのブースも趣向を凝らした内容で大盛り上がり!

なかでも SNS 等で盛り上がりを見せていたのがコミュニティ・マーケティング支援 SaaS を提供している KEEN さんのブース。対象のコミュニティに対する SNS 投稿などを分析して、インフルエンサーたり得るユーザーを見つける機能は大変興味深かったのですが、ノベルティとして提供している「SNS アイコン缶バッジ」がとってもキュート。

私も X のハッシュタグ # devreljp 上に流れた参加者の投稿を見て、思わず「欲しい!」と投稿したら作ってくれてました。コミュニティイベントなどでありがちな「SNS 投稿は見るけれどリアルは分からない現象」を突破する一つのソリューションたり得るので、積極的に活用していこうと思います。

そのほか Findy さんが取られてたDevOps 関連ツールのアンケート (画像上) や、参加者が作る Job Board (今こんな人探しています!を自由に書く掲示板。画像下) も盛況でした。

おわりに

よしんば登壇するぞ〜という心持ちから参加を決意した本イベントでしたが、エンジニア組織もしくはエンジニアを価値の中核としたコミュニティ実践者が語る生の声は、自身が持っていた期待に違わない素晴らしいものでした。SNS 上での実況が大変捗るのも当然の帰結と言えるでしょう。

来年は「DevRelKaigi」に名称変更 & インターナショナルカンファレンス化し、新たな装いで行われる予定であることが発表された本イベント。

ここで得た熱量と先頭を走る実践者たちに何らかの還元するべく、懲りずに来年もまた CFP を出せるよう、新しいチャレンジを続けていきたいですね。