たかげべら

Written by Takahito KIKUCHI

3年ぶりに開催した「花と緑のココロ博2023」に行った話

2023年4月21日から23日まで夢メッセ宮城で開催された「花と緑のココロ博2023」へ行ってきました。かつては「とうほく蘭展&薔薇とガーデンフェスタ」と呼ばれていた催しで、2021年以降はコロナ禍の影響を鑑みて開催中止されていたものでした。

cocorohaku.jp

開催日に予定が何も無かったことに加え、出展する造園業の企業たちが工夫を凝らした展示は見ていて楽しく、普段デスクワークでパソコンの画面しか眺めない私にとっては気分転換になると思い、足を運びました。

展示の内容など

過去開催のものも含めて、このイベントの展示内容は、概ね以下のように分類されます。

  • 出展した造園業による施工例展示
  • 華道会による生け花展示
  • 東北の蘭愛好家が育成した蘭の品評展示
  • イベントブース
  • 物販ブース

なかでも一番の見所は「出展した造園業による施工例展示」で、各企業ごとにテーマを定め、あの手この手で世界観を再現しているのが見ていて非常に面白い。一部の展示は中に入ったり、ウォークスルーができるものもあります*1

そして肝心の今年の展示ですが、まずは宮城県花弁商業協同組合によるウェルカムフラワーゲートがお出迎え。色とりどりの花と緑が所狭しと密度高く敷き詰められており、賑やかでありながらもどこか癒やされる光景を作り出していました。

ここを過ぎるとメイン展示である「ココロの故郷(ふるさと)」と銘打った展示が登場。昭和の里山をモチーフとしており、石原裕次郎のポスターやポンプ式の消防車など「どっから持ってきたんだ」とツッコミを入れたくなる小物類まで揃えている力の入れよう。ステレオタイプな光景ではあるものの、しっかりと手の入った展示だったため見応え十分です。

会場奥にはフォトブースとして「麓(FUMOTO)」と銘打たれた展示が。宮城の山々に自生する木や花を採集して作った作品だそうで、遠目でみると華やかな一方、間近で見ると自然由来の汚れや痛みが見られ、見え方の2面性を感じられる面白い展示でした。

中規模の展示としてフラワーデザイナーの方々による独創的な企画展示が5点、会場内に設置されていました。それぞれ芸術的な観点で工夫が凝らされていて、こちらも見応えのあるものばかりです。

加えて、先に述べた華道会による生け花展示蘭愛好家が育成した蘭の品評展示が、今年もそれぞれ一定の規模のブースを確保し、会場内に展示されていました。花の善し悪しについて語れるほど博識ではないのですが「素材の良さ」を生かした作品が好きですね。

また、今年は「全国都市緑化フェア」が仙台で行われることから、それの宣伝を行うブースも展示ホール内に置かれていました。緑化フェアに合わせて仙台国際センター周辺が大幅に整備されているそうなので、今年のGWはちょっと足を運んでみようかな*2

ちょっと残念だったポイントなど

とまあ、ここまで撮影した写真とともに主要な展示内容を紹介した訳ですが、驚くべきはこれで展示ホールの半分なこと。残り半分は物販とイベントブースで埋められており、展示をメインに見に来た方にとってはやや肩透かし感のある内容に感じられました。

イベントの告知自体が3月下旬に行われていたことから察するに、新型コロナウイルスに関する世間の情勢をギリギリまで見て、開催の是非を検討していたのでしょう。であれば、企画から作成に時間のかかる造園例や企画展示の少なさなどに納得がいきます。

本イベントは、コロナ禍になる前も来場者数が振るわず隔年開催になるタイミングがあったなど、出展者目線に立ってもなかなか厳しいものがありますが、東北でこのような催しは貴重ですし、仙台うみの杜水族館や三井アウトレットパーク仙台港と連携して回遊性を高める仕組みを取り入れているなど工夫が見られるため、来年以降も是非続いてほしいですね。

おまけ : Adobe Lightroom Classic の AI ノイズ除去が凄い

本投稿の写真は Sony DSC-RX100M7 でRAW撮影し、Adobe Lightroom Classic につい最近追加された「AIノイズ除去機能」で修正を行っています。

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草花が被写体なので、雰囲気を和らげるためにソフトフィルターを使っていたりするのですが、それを差し引いても元のディテールが破綻しない、自然なノイズ補正が出来ている気がします。今回使用したカメラは APS-C やフルサイズと比べると撮像素子が小さいため、施設内など光量に制限のある場所ではノイズが乗りがち。ですが、今回 Lightroom Classic に追加された機能はそれをある程度埋められる革新的な機能な予感がします...。

*1:商業的には施工を受注することが目的なので、細かいところまで見れないと展示として意味がない

*2:6月の仙台国際ハーフマラソンでどのみち通る羽目になる