2024年8月7日に開催された「DevRel/Tokyo #95 〜アンカンファレンス〜」にて登壇してきましたので、感想やよもやま話などを紹介します。
発表内容および資料
今回の発表は「ヘプタゴンが考える『地域のCCoE』〜地域を越えた DevRel と re:light local 〜」と題し、勤務先である株式会社ヘプタゴンが推し進める概念「地域のCCoE」について、弊社と株式会社エイチビーソフトスタジオ、株式会社Fusic の三社共同で立ち上げた企業間コミュニティ「re:light local」の活動に触れつつ、DevRel と絡めてこれを紹介したものになります。
当日使用した資料は以下の docswell で公開しておりますので、是非ご覧ください。
この内容は来月9月14日に開催が予定されている「DevRel/Japan CONFERENCE 2024」の CFP (Call for Paper) へ提出したものです。惜しくも選考から漏れてしまったのですが、同イベントの主催である DevRel/Tokyo 中津川さんより「アンカンファレンスやるんで、このテーマで登壇してみませんか?」とお誘い頂いたため「是非!」と今回に至ります。
「地域のCCoE」の意味と叶えたい世界観については資料で触れている通りなのですが、元は弊社代表の立花が使用する事業会社向けスライドで登場するフレーズ。
2022年に発表した re:light local の前身となるキャンペーン「re:Light Tohoku」や JAWS DAYS 2024 における自身の発表内容から「これって (広義の) DevRel なのでは?」と考えるようになり、本当に自身の考えが合っているのかを確かめつつ、多くのフィードバックを獲得しよう...の目論見から CfP へ応募したという流れです。
発表中に X で投稿頂いた内容や懇親会で頂いたフィードバックを見る限り、今回の発表内容は興味を持って受け取って貰えた模様。中津川さんからも「この取り組みは立派な DevRel なので、自信持っていいですよ」と有り難いお言葉を頂きました。これらを得られただけでも大満足の成果です。
以下、発表中にポストされた X 上の投稿ダイジェストになります。
最初のセッションは @takagerbera さんより! #DevRel #DevReljp pic.twitter.com/X0BD92wP7y
— Atsushi@MOONGIFT (@goofmint) 2024年8月7日
いいメッセージだ!
— sakutaro (@saku_238) 2024年8月7日
re:light localが目指すもの「地方企業の業界団体(Union)ではなく、目指す世界を共にする同志(Community)」
#DevReljp pic.twitter.com/RWtBTcXrnW
CCoEの話。地域で連帯・連携がステキですね #DevReljp pic.twitter.com/7apgyGkZ2X
— 西から来た馬づらの男 (@beppu01) 2024年8月7日
地域を超えたDevRel!!#DevReljp #地方だからできる #relightlocal
— Journeyman(ジャニ)🍑🥟 03/02(土) #JAWSDAYS2024 E-1登壇🦈 (@beajourneyman) 2024年8月7日
地域のコミュニティ。まさにDevRelで関係強化 #DevReljp pic.twitter.com/XhtxRiAYrz
— 西から来た馬づらの男 (@beppu01) 2024年8月7日
イベントのテーマである「DevRel」とは何なのか
イベントのテーマとなっている「DevRel (Developer Relations)」は、一言で言うと「ITエンジニアとの “緩い繋がり” の形成を主軸に置いたマーケティング活動」です。
プラットフォーマーが公開する API を使う開発スタイルが定着した2010年代中〜後半ごろにかけて出てきた概念で、コミュニティなどを通じて緩やかに支持基盤を拡大していくようなスタイルが特徴。先日参加した「CMC_Meetup」で扱われる「コミュニティマーケティング」の要素を含む考え方でもあります。
勤務先であるヘプタゴンとも関わりが強い「JAWS-UG (AWS Users Group - Japan)」を AWS が「コミュニティマネージャー」という役職を立てて支援しているのも DevRel ですし、過去に参加した「JBUG (Japan Backlog User Group)」も Backlog 開発元のヌーラボが全面支援しているのも DevRel の観点があるのは間違いないでしょう。
DevRel の方法は組織の規模や戦略によって変わるため決まったものはありませんが、本イベントにお誘い頂いた中津川さんが代表の株式会社MOONGIFTのサイトでは、以下「4つのC」を DevRel の基本要素として紹介しています。本ブログでは詳細を割愛しますが、今回作成した資料もなるべくこの4Cを満たしているアピールができるよう心がけたつもりです。
- Code (開発者が手を動かせるコンテンツ。ソースコードや SDK、ハンズオンなど)
- Content (Code 以外の情報収集を目的としたコンテンツ。ブログ、スライド、ウェブサイトなど)
- Communication (開発者とのコミュニケーション機会。イベント、ソーシャルメディア、チャットサポートなど)
- Conductor (エンジニアとの接点になり得る人。エバンジェリストやコミュニティマネージャー、カスタマーサクセスなど)
発表後の反響
ここまで発表前〜当日の話を紹介しましたが、ここからは「発表後」の話。
本イベントに限らず外部登壇をした後は、社内のビジネスチャットツールに資料をアップロードした docswell や本ブログで公開した感想記事を全員が見れる形で投稿するようにしています。
エンジニアではない私が敢えてこれを行うことで「社外発表を機会の一つとして生かす」のを認知させるべく実践している...のですが、今回は訳が違いました。
今回の発表で「社内で誰も言語化していなかった概念」が言語化されたため、社内からのフィードバックも沢山出てきたのです。
正直これは計算外だったのですが、振り返ってみると関係する人たちが「コミュニティ」というキーワードから連想されるものを各々想像しながら取り組みを進めていたのも事実。社外への問いかけを通じて、自身へ矢を向ける良い機会に繋がった観点からも、やる意義のある発表だったと考えています。
本イベントで発表されていたココナラ 川崎さんの発表にあった「誰もやらないなら、自身がファーストペンギンになる」は、今後も大切にしたいマインドですね。
誰もやらないなら俺がやる!
— Takahito KIKUCHI (@takagerbera) 2024年8月7日
ファーストペンギン大事 #devreljp pic.twitter.com/eSwvA0JiuM
...にしても、良い内容だったからって引用されるの早くない? (事前に言われてたので把握済み)
🤔(最近見たことある図やな) #地方だからできる pic.twitter.com/bRodEO5bKx
— Takahito KIKUCHI (@takagerbera) 2024年8月9日
おわりに
JAWS DAYS 2024 以来の登壇でしたが、社内外から様々な反響が起こった意義のある発表だったと自身では思っています。
DevRel の事例は関東圏や大阪が中心で地方の事例が少ないため、来てくださった方の関心や学びに繋がるかの懸念が今回で払拭されただけでなく、自身らの取り組みを振り返る上でもよい契機に。惜しむは CfP を提出した DevRel/Japan Conference 2024 に当選しなかったことですが、今回ので自信に繋がったため、いつの日かまた応募しよう!と活力を貰った良いイベントでした。
なお、DevRel/Japan Conference 2024 へは聴講者として参加し、本ブログに感想記事を掲載する予定です。お楽しみに。