たかげべら

Written by Takahito KIKUCHI

2024年の技術広報的な活動を振り返る話

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こちらは「技術広報 Advent Calendar 2024」シリーズ2の12月22日ぶんの記事です。

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2023年に引き続いての参加ですが、2024年のアドカレは勤務先である株式会社ヘプタゴンの技術広報活動全般に焦点を当て、1年の振り返りを行います。

昨年は2024年3月に立ち上げた、地方のクラウド活用推進を加速する企業間コミュニティ「re:light local」につながるヘプタゴンの対外活動をまとめた内容を寄稿しています。こちらも是非お読みください。

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技術広報的な目線で見た、2024年のヘプタゴン

2024年のヘプタゴンを技術広報目線で見た場合、以下のような変化がありました。コロナ禍が終わった直後で手探り状態が続いた2023年と比較して、2024年は経済活動が活動が完全に戻った後という要因はあるでしょうが、こうして振り返ると本当に色々やったと思いますね...。

  • 支援事例の公開件数が1年で1.6倍に増加 (3件から6件に)
  • マスメディア、ネットメディアへの露出が1年で3倍に拡大 (4件から12件に)
  • 招待、個人登壇を含むコミュニティイベントへの参加拡大 (15件)
  • 企業間コミュニティ「re:light local」の立ち上げと各地でのイベント開催
  • AWS ジャパンが主催する最大の展示会「AWS Summit Japan」へ初出展
  • 代表が企業や学校、自治体が主催するクローズドなセミナーへ講師として多数参加
  • スポンサーをしているサッカーチームが主催する地域貢献イベントへ出展
  • 会社としては初となる「支援事例集」の公開

数ある打ち手の中でも一番の変化は「AWS Summit Japan への出展」と「『支援事例集』の公開」の2つでしょうか。コミュニティイベントや会社がある青森県や東北地方での露出拡大と比較すると、これらは準備から効果が現れるまで多くのお金と時間を要する「ハイリスク・ハイリターンな投資」なので、こうした少し遠い未来へ会社としてチャレンジする意思決定ができたのは大きな変化だと、個人的には感じました。

そのような変化がありつつも、コミュニティイベントへの参加が衰えることなく続けられる組織は維持できているため、今後もこれが続けられる組織作りをしていきたいなと考えてます。

地方企業でも来場者に響くアプローチができた「AWS Summit Japan」

ここからは先ほど紹介した2大トピックについて個別に紹介。

まずは「AWS Summit Japan 2024 への出展」ですが、一番困難を極めたのは「出展コンセプト」と「目標リード数」の設定です。

主催の AWS ジャパンから事前に頂いた情報や2023年イベントの開催報告から、概ねの来場者数や来場者属性を予想し、目標設定したのですが、その際に「自身が首都圏外の企業であること」が一番の不確定要素として立ちはだかりました。出展企業も来場者も「首都圏に拠点を構える企業」が多数を占めるため、主要なお客様が地方である私たちの訴えがどこまで刺さるか...は最後まで議論の対象であり続けたのを今でも覚えています。

最終的には「過去のビジネスを否定せず、自社のポテンシャルを試す意味でも『地方』を主軸にしよう」ということで、出展コンセプトや想定ターゲット、ここから算出した目標リード数が決定し、イベント当日に。

蓋を開けてみると「地方でのゲームチェンジのヒントがここに!」というコンセプトは首都圏に拠点を構える企業にもそれなりに刺さり、目標リード数獲得だけでなく re:light local の活動に共感してくださる企業さんが増えるなど定量・定性双方でそれなりの成果を創出。案件創出面での評価こそ難しいところはあるものの、今後のイベント出展におけるベンチマークとしては良いものを残せました。

2025年はどうするか現時点で未定ですが、今回の学びを生かせる場面は多そうなので、機会が来たらまた頑張れればと思っております。

あ、終わった今だから話しますが、来場者へお配りした「お米のノベルティ」のラベルデザインは私が担当です。まさかペットボトルのラベルデザインをするとは思わんだ...。

初の本格的なダウンロード資料「支援事例集」

次は「支援事例集」ですが、定期的に行う社内のマーケ系担当者会議で「支援事例をもう少し能動的に使えないか」と発言したメンバーがいたのが実施のきっかけ。

社内で検討し始めたタイミングと時を同じくして「地方」「中小規模」「システムインテグレーター」の3要素を含む事例が新規に公開される運びとなったため、この最新事例と似た属性を持つ企業や支援内容を集めて一つの資料を作ろう!となって完成したのが、この事例集です。

意思決定そのものはスピーディーだったものの「多くの方の手に取ってもらう資料」かつ「(コミュニティイベント登壇などの資料と比較して) やや格式の高い資料」という点から、作成・公開にあたって「資料のデザイン」が最大の壁に。こちらは親会社・デジタルキューブ擁するデザイナーチームの助力を得るという、グループ間の人材交流を生かした方法で比較的短時間のうちに解決。

会社のウェブサイトに掲載されているお知らせの通り、2024年12月に実施した日が浅い打ち手のため成果は未知数ですし、どちらかというと営業寄りの施策ですが、日々エンジニアが汗を流して取り組んでいる営みを事業拡大に活かすチャネルの拡大事例としては新しいチャレンジができたのではと思っております。

ヘプタゴンの PR TIMES より引用。日本国内の toB ビジネスは事例が重要と言われているので、チャネルが増やせたのは本当に大きい。デザイナーチームの協力に感謝。

成果と今後の展望

これら広報活動の成果ですが、どちらかというと営業・マーケ系施策が中心のため事業貢献がメイン。ありがたいことに何とか事業継続および成長はできているため、日々の技術広報活動の成果が出ている...と思いたいところ。

また、採用や re:light local の活動にもその成果の一部が及んでいると考えられ、それらについては他のアドベントカレンダー記事で触れている通りです。

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今後の展望ですが、2024年の打ち手が営業・マーケ系施策に寄りすぎていたので、2025年は「既存社員の成長実感」や「所属して良いと思える会社」に繋げる情報発信 (いわゆるインナーブランディング) を少し意識した打ち手を取りたいと個人的には考えています。具体的には「お客様や社外の方の声が見える打ち手」の実施ですかね。具体的に何ができるかのイメージは未だついてませんが、会社から外へ伸びる矢印と外から会社へ伸びる矢印の強さがバランスする「情報のよい循環」が生み出せると、広報だけではない全体の組織力 (ケイパビリティ) 向上に貢献できる...気がする。

技術広報というと営業やマーケティング、採用、コミュニティ活動が主軸ですが、それらを抱合した組織作り全体にも影響のあるロールだと思うので、2025年もこのような目線を忘れずに日々活動できればと思っております。