(この記事は、はてなブログのお題機能 <今週のお題「何して遊ぶ?」> に沿って作成しています)
2023年のゴールデンウィークどうお過ごしでしょうか。
私は暦通りのお休みに加えて、中日の平日に有給を取得しているため、9連休の長い休みを謳歌しています。そんな中、2023年5月3日に山形県米沢市で開催された「米沢上杉まつり 川中島合戦」を見てきました。
米沢市は私の住まいのある仙台からは比較的容易に行ける部類の都市なのですが、これまで不思議と行く機会がなかったため、今回のGWを使って本格的に訪れた格好です。
米沢上杉まつり「川中島の合戦」とは、どんな催しか
この催しは、米沢が誇る著名な武将「上杉謙信」と、その生涯に渡る宿敵とされた「武田信玄」の5回に渡る大激闘「川中島の戦い」うち、永禄4年(1561年)に起こったとされる「第四次川中島の戦い」の模様を再現した伝統行事。市と伝統保存会の方が中心となり、一般市民や観光客を巻き込みながら両陣営合わせて600人ほどが関係する一大イベントです。
元となった戦いは、両軍とも相当数の被害を出しつつも、決着が着かなかったとして後に語られる激戦で、多くのフィクションにも引用されているエピソードですね。
著名なエピソードかつ、開催時期にも恵まれていることから多くの来場者が見込まれており、会場には飲食を中心とする多くの露店のほか、優先的に本催しを見ることのできる有料桟敷席が用意されていました。今回はこの有料桟敷席を事前に購入し、観覧しています。
催しの流れとその内容
この催しは、導入として上杉・武田両軍の出陣の儀式を行ったあと、会場である松川河川敷付近で両軍が激突した「八幡原の激戦」を中心に展開されます。
最初に行われる出陣の儀式、上杉軍のものは「武禘式」と呼ばれる儀式になりますが、これが陣営ごとの参加者が一同に介する唯一のタイミング。その様は片方の陣営だけでこれほどの人数が関わっているのかと圧倒されます。
これ以降に行われる戦いの再現もそうですが、基本的には史実に則って行われるため、謙信役の方もしっかり毘沙門天を降ろして臨みます。熱の入った力こぶしがとても格好いい。
両軍の対象がそれぞれ勝ち鬨を上げたら、遂に戦が開始します。
最初は弓兵隊、火縄銃隊による射撃のパフォーマンスが披露。それぞれ弓道愛好会と火縄銃保存会の方が担当されているだけでなく、発煙筒による火弓の再現や、空砲ながらも実際の火薬を使った発砲など、細部に拘られているため見応え抜群。泣く子も黙るどころか轟音でより泣く力の入れ具合です*1。
両軍ひとしきり射撃が終わった後は、部隊ごとの激突が開始。鎧を纏っている名有りの武将はそれぞれ保存会の方が担当されていて、切り結びにつばぜり合いなど、迫力ある殺陣が披露されます。刀同士だけではなく、槍の武将と刀の武将の殺陣もあるため、一度に様々な形の戦いが見られるのはいいですね。
他方、一般市民や観光客どうしの激突は力の抜けた感が見える微笑ましいもの。保存会の方同士の激突が「ヤッ!」「トゥッ!」と勢い付いたものだとすると、こちらは「や〜」「と〜」みたいな緩さがある感じ。刀身がすっぽ抜けるなど、時折起こるアクシデントへの反応も含めて、ほっこりとした気持ちで見ていられます。
戦いが中盤を過ぎたあたりで見所である「三太刀七太刀」と呼ばれる大将同士の一騎打ちと、武田軍の別働隊による奇襲攻撃の再現パフォーマンスがそれぞれ披露。今回取得した座席が上杉陣営寄りだったため、オペラグラスが無いと少々見づらい位置でしたが、都度ナレーションが入るため、どこを見れば良いのかはっきりしているのは好印象です。
これらが終わった後、両軍総出での激突に戦いは移行し、イベントは佳境を迎えます。赤と青の甲冑が入り乱れる様は激闘の混乱をうまく再現しておりボリューム満点。ここまで人の密度が高いとどこを見れば良いのかわからないほど。
そして、激しいBGMの終了と共に両軍撤退したのち、多くの死傷者が発生したことを再現して、史実に基づく一連の催しが終了となります*2。
感想など
著名な催しのため名前だけは知っていましたが、実際に見てみるとエンターテインメントとして完成しており、非常に楽しめました。同じく、武将が生きた時代の出来事を再現した東北の催しである福島県南相馬市「相馬野馬追」を以前に見たことがあるのですが、こちらは神事を忠実に行うため、比較すると違いが顕著。
また、開始時間前には参加者総出によるリハーサルが行われており、早めに会場入りするとこちらを見ることもできます。この後に行われる催しがフィクションであることを強く感じられるだけでなく「演技指導をしている」という現実がかみ合って、シュールな笑いを感じられる...かもしれません。
また、有料桟敷席のメリットについてですが、やはり座席が確保されていることの安心感がではないでしょうか。戦場の中央に近い座席が割り当てられたのも良かったのですが、当日チケットの争奪戦に巻き込まれない、席取りの労力が必要ないといった気持ちの面で余裕を持てたのが大きかったです。金額も発券手数料込みで2300円と高額ではないため、来年以降観覧するご予定のある方は事前に購入することをおすすめします。