2023/05/09 から全4回に渡って実施された、曹洞宗東北管区教化センター主催のイベント「座禅ナイト in 仙台」に参加してきました。
毎日の生活の中で自分のことを振り返るタイミングが時折あるのですが、ふと「意識的かつ、ある程度の時間を確保して、自身を振り返っていない」のに気がつき、何かちょうどよい手法を考えたときに閃いたのが「座禅」の存在。閃いたタイミングが丁度ゴールデンウィークに差し掛かる前の時期だったため、ゴールデンウィーク中に近くのお寺で座禅会でも開いていれば...とインターネットを検索して見つけたのがこのイベントです。
イベントの中でも触れられていたのですが、ずぶの素人が突然座禅会に参加するのは、なかなか勇気がいるもの。そんな中で見つけたこのイベントは「まず座禅をやってみる」という最初の一歩を済ませられただけでなく、似たような行為と思われている「瞑想」との違いなど、座禅の本質を知れる貴重な機会になりました。
そんな「座禅ナイト in 仙台」がどんなものだったか、話をしていこうと思います。
イベント構成、会場など
このイベントは 2023/05/09 から 2023/05/30 の毎週火曜日19時半から全4回、東北福祉大学 仙台東口キャンパスを会場に実施。実はこの施設、代々木ゼミナール 仙台校の時代から一度も入ったことがなく、今回が初めての利用でした。
主要なテーマは各回でそれぞれ異なり、以下の通り「座禅入門」から始まって、曹洞宗が考える座禅の本質である「調心」に回を追って近づいていくという構成。各回とも講師のお坊さんによるその日のテーマに関する解説がなされた後、30分程度座禅を組むという流れでイベントは進んでいきます。
日にち | テーマ |
---|---|
5/9(1回目・初回) | 座禅入門 |
5/16(2回目) | 調身 (身の回りを調える) |
5/23(3回目) | 調息 (呼吸を調える) |
5/30(4回目・最終回) | 調心 (心を調える) |
平日仕事終わりの貴重な時間、解説を含めて1時間も時間を割いて座禅を組もうと思う人は少ないだろう...と思ったらそうでもなく、各回とも20人超の方が参加。講師の方によると、コロナ禍で2018年の開催を最後にしばらく途絶えていたとのことで、活況ぶりを考えると実施側・参加側双方にとって待望の再開だったことが何となく窺えました。
曹洞宗が考える「座禅」の本質、そして「瞑想」との違い
先に触れたとおり、このイベントは全4回を通じて曹洞宗が考える座禅の本質である「調心」について向かっていく内容になっています。
この「調心」は一体何かというと、悩み、心配、後悔といった「煩悩」を捨て去り「今の自分に集中すること」で心を調えること。現在を生きる自分自身を中心に「過ぎてしまった過去への捕らわれ」や「無いかもしれない未来に対する心配」などの煩悩、言い換えれば自分を縛るマイナスの感情へ意識が向かっている自分自身に目を向けて、前を向く行為 (現在へ意識を戻す行為) が、曹洞宗が考える「座禅」の本質なんだそうです*1。
そして、似たような行為と考えられがちな「瞑想」との違いについて、座禅は「今の自分に意識を向ける行為」なのに対し、瞑想は「無となり、自分を解放する行為」として意味・目的が全く異なる行為と説明されていました(諸説あります)。どちらも「背筋を伸ばして深く座り、呼吸を整え、心を落ち着かせる」ぐらいでしか考えてなかったので、行為そのものの目的や考え方を知れただけでも一つ勉強になりました*2。
感想・まとめ
上記のように書くと、何だか堅苦しいイベントのように思われますが、実際は講師のお坊さんによる穏やかなトークが中心で、終了後には「茶話会」と称する交流イベントが用意されているなど、想像以上にフレンドリーな内容。講師以外のスタッフはいずれも若いお坊さんばかりで、茶話会で話してみると良い意味でお坊さんらしくない親しみやすい方も。
総じて、当初の目的である「座禅をまずやってみる」目的が達成できただけでなく、思い立ったタイミングではそれほど深く考えていなかった「座禅」という行為の意味について造詣を深められたのは、よい収穫でした。ちゃんと行おうとすると、歩き方や禅堂への入り方などお作法があるようですが、形から入らず座禅の本質を少しでも解決した状態になれたのは、今後座禅会へチャレンジするにも良いことかもしれません。
また、イベントの中で仙台の身近な座禅会として「Sendai ZEN Lab」という、若いお坊さんが主催でやられている座禅会を紹介していただいたため、スケジュールが合えばこちらにも参加してみようと思います。