2023/05/21 に福島県福島市で開催された「ふくしまシティハーフマラソン2023」に、ハーフマラソンの部で参加してきました。
福島県といえば、本大会の開催地である福島市に加えて、県南の郡山市、西部の会津若松市、沿岸部のいわき市の4大都市がよく知られていますが、福島市でマラソン大会は不思議とこれまで行われてきませんでした。他の3都市では代表的な大会が既に存在しているため、観光誘致の観点では念願だったのではないでしょうか。
そんな本大会、ランナーとして参加してみてどうだったのか。語っていきたいと思います。
まずは記録から
そんな本大会の記録ですが、2時間24分で完走しました...が、あまりおめでたくありません*1。
というのも、コースの途中(17km超えたあたり)で熱中症になってしまい、ガス欠に陥ってしまったからです。完走証にもその様子がハッキリと記されており、ゴール近くの20km地点ではスタート時の半分以下のペースだったのがうかがえます。それでも完走できたのは、制限時間が3時間だったのと、15kmまで比較的快走だったのが功を奏した形です。
熱中症の原因は色々考えつくものがありますが、やはり朝から25度近い気温かつ多湿の環境が一番身体に堪えたのでしょう。保険としてスポーツドリンクを携帯していたものの、初夏の福島盆地の暑さをちょっと甘く見ていたのは否めません。
大会参加から出走までの流れ
本大会ですが、大会ページがランネットと連携しているため、仙台国際ハーフマラソンなど多数の大会と同様、会員登録 (もしくはログイン) ののちエントリー完了。その後、大会2週間前に参加賞のTシャツや計測用ICチップ、アスリートビブスを含む書類一式を受け取り、当日会場で受付して出走となりました。
会場である信夫ケ丘総合運動公園には、福島駅からシャトルバスで25分ほどかけて移動。行きに関しては潤沢な本数かつ誘導がスムーズで、ランナーの付き添いを含めると5000人を超える方が居たのにも関わらず、大きなトラブルがなかったのは凄いことだと思います。
会場に着いた後は、着替えと手荷物預かりをしてスタートラインへ行く前にお手洗い...なんですが、参加者に対して男性トイレの数が圧倒的に足りなかったようで長蛇の列。出走時間ぎりぎりにお手洗いを済ませることになり、ちょっと幸先悪い感じに。
お手洗いのあとは気を取り直してスタートラインに入って出走。この時間がなんと朝8時(!!)。本大会で一番の曲者だったのが、この出走時間です。県外では比較的近隣の部類に入る仙台であっても、始発の東北新幹線やまびこ号に乗らないと遅刻がほぼ確定するシビアさ。幹線道路への影響や熱中症のトラブルを避けるために朝早くしたのは理解できるのですが、福島市やその近隣に住まいがない限り、前泊必須なのは正直キツい*2。私も大会当日は朝4時半起きで、これに調子を崩されて熱中症に繋がった可能性はありそうです。
コースやエイドの感想
コースは地図だけ見ると大きな高低差の少ない走りやそうなコースなのですが、いざ走ってみると日陰が少なく、市道を中心に痛んでいる道路で体力が持って行かれる、パワフルなコースだった印象*3。また後半にかけて橋が多く、ちょっとした上り下りが疲弊したランナーの心にぐっと来るものがあります。一方で、大々的にPRしたのか、どこを走っても誰か応援してるぐらい沿道の応援は充実しており、後半のキツさが相対的に和らいだのは幸いだったかもしれません。
また、コース途中のエイドですが、福島市の暑さに対してやや不足していた印象は否めません。疲労のせいもあったのでしょうが、特に15kmを超えたあたりからはエイド間の距離がかなり遠く感じられ、せめてもう2カ所くらいあったら良かったのにな...とは思いました。また、エイドに置かれている紙コップがお通しのお茶を出すのに使われてそうな小さいサイズで、一度に採れる水分量が少なかったのも気になったポイントです*4。
ゴール後について
ゴール後は、粗品のスポドリとフィニッシャータオルを受領し、計測用ICチップを返却して、手荷物回収ののち着替えて帰宅...なんですが、運動場を出るときはコースとなっている競技場トラック部分を横切る必要があり、走行中のランナーと接触するリスクがあったのは危険だと思いました。実際、私がゴールする寸前は熱中症から辛うじて回復した状態だったため、前方の限られた範囲しか見えておらず、仮に誰かが横切ろうとしていた場合、接触していた可能性は十二分にあったでしょう。このことはゴール後、スポドリを飲みながら休憩している時に気がついたのですが、当日誰とも接触しなかったのは不幸中の幸いです。
まとめ
不本意な記録ではありましたが、記念すべき初開催の大会に参加でき、完走できたことは誇りに思います。細かいところを中心に気になる部分はあったものの、出走までのプロセス自体はスムーズでしたし、沿道の応援をはじめとする「おもてなし」の姿勢は十二分に伝わる大会でした。冒頭で触れたとおり、福島市にとっておそらく観光誘致の面で大きな意義のある大会なので、今後の改善に期待したいです。
私個人としては、次回開催は10月か11月の秋開催にしてほしいかな...という気持ち。初夏の福島市はマラソンするのにちょっとキツいのと、秋口、特に11月は近隣で程よく挑戦しがいのある大会が少なくなるので選択肢があると嬉しいです*5。
おまけ : 福島で食べた食べ物について
そんな本大会の帰りに、福島駅併設の複合商業施設「福島駅西口パワーシティPivot」に入っている「凍天処 木乃幡」で「凍天」を食べてきました*6。
この食べ物は、福島の伝統的保存食である自然乾燥させたよもぎ餅 "凍餅" をドーナツ生地に包んで揚げた福島発祥のお菓子(いわゆるご当地スイーツ)。2019年に発祥の会社が破産したものの、その後に福島市の企業がその商標と機械を買い取り、2020年に復活した数奇な運命を辿っている歴史があります。
以前はJR仙台駅にも店舗があり、何回か食したことがあるのですが、揚げたての凍天はふわふわのドーナツ生地に対して、粘り気の強いお餅の食感が良いアクセントで美味。復活後もそれは変わらず維持されています。現在、通販以外で買える場所が少なく、特に出来立てを食べられる箇所は限られるのですが、思い出した時にまた食べたくなる素朴な味わいなので、今後も応援していきたいですね。