たかげべら

Written by Takahito KIKUCHI

すくすくスクラム仙台に2ヶ月連続で参加した話

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2024年2月の勉強会に引き続き、2024年3月と4月のすくすくスクラム仙台に参加したので、本記事ではその感想などを紹介します。それぞれ取り扱うテーマが異なりますので、勉強会そのものや、テーマの一部である「ソフトウェア開発現場の改善活動」の幅の広さを感じていただければ幸いです。

「すくすくスクラム仙台」の紹介は、2024年2月に行われた勉強会に参加した際の記事で行っております。こちらも是非ご覧ください。

takagerbera.com

2024年3月勉強会「スクラムを基に『プロダクトを通じて価値を最大化するには?』を探索するワークショップ」

2024年3月に行われた勉強会は、スクラムの開発者であるケン・シュウェイバー氏が立ち上げた団体「Scrum.org」のホワイトペーパー「スクラム:リスクを軽減し早期に価値を提供するフレームワーク」を用いたワークショップ。

suku3rum-sendai.connpass.com

ワークショップは題材とするホワイトペーパーのうち、スクラム実施のフレームワークである「3つの作成物」「5つのイベント」「3つのロール」でそれぞれチームに分かれ、知識構成型ジグソー法による協調学習を行うというものでした。

題材となったホワイトペーパーを印刷したもの。当日はこれが参加者に配られました。

私は「3つの作成物」のチームに割り当てられ、スクラムを実施する課程で作成する「プロダクトバックログ*1」「スプリントバックログ*2」「インクリメント*3」の理解と他チームへの伝達を担当。バックログと名の付くものは実施前からその性質を理解していたのですが、インクリメントについては理解があやふやだったので、本ワークショップを通じて知識の整理と理解の進行が行われたのは大変助かりました。

また他チームとの交流を行うジグソー活動では「3つのロール」のうち、役割が分かりにくいとされる「プロダクトオーナー」と「スクラムマスター」の違いを参加者同士で話せたのは大変有意義でした。

特にスクラムマスターは、チームの状態や開発現場に求められる要件でその役割が「ティーチャー(フレームワークの教導役)」「ファシリテーター(フレームワークの促進役)」「阻害要因リムーバー」「チェンジエージェント(チームの改革役)」「コーチ&メンター」と多岐にわたり、チームのために自律的かつ能動的に動くことが求められるロールである (要は開発現場を円滑にする何でも屋さん) と会の中で結論づけられたのが印象に残っています。

2024年4月勉強会「LT と OST でスクラムの話をしよう in せんだいメディアテーク」

2024年4月に行われた勉強会は、参加者によるライトニングトーク (LT) と Open Space Technology (OST) と呼ばれる参加者主導で会議体を構成するワークショップの2つが行われました。この時の会場はこの勉強会には珍しくせんだいメディアテークだったのですが、今年のスクラム系大型イベントで使いたいからとか...?

suku3rum-sendai.connpass.com

OST によるワークショップは、全体の時間を3分割した3トラック制で、1トラックあたり3〜4個の話題に分かれて各自議論を行う構成で実施。私は自らを含む全参加者から持ち寄られた課題のうち「学ぶ組織の作り方/評価方法のあり方」「良い振り返りのやり方」「良いオンボーディングの方法」の議論にそれぞれ参加しています。私自身の話題は「評価方法のあり方」だったのですが、他の参加者で「学ぶ組織の作り方」を話題に上げていたので、これにジョインする形で議論の場を作りました。OST はこうしたアプローチも許容する、自由度の高いワークショップ実施方法です。

参加した議論のうち「良い振り返りのやり方」では、他の参加者が所属しているチームで取り入れているやり方や、手法ごとの良し悪しを幅広く知る機会になり参考になりました。振り返り手法の代表例と言える KPT (Keep/Problem/Try) に始まり、本勉強会でもおなじみの Fun Done Learn(参考)、タイムラインを使って時系列で起こったことを整理するやり方(参考)、止めることにもフォーカスする Starfish など、多様な振り返り手法が20分弱の短時間でポンポン出てくるあたり、社内でアジャイルを推進されている方は振り返り (レトロスペクティヴ) を大事にしているのが伝わります。

おわりに

2024年2月に引き続き3月、4月と引き続き勉強会にお邪魔しましたが、他社の現場で活躍されている方たちとの対話はやはり刺激になります。エンジニアリング業務から離れてこそいますが、勤務先のエンジニア達の良きメンターでありたいと思っているので、こうした現場理解や改善をテーマとした知識獲得は無駄ではないと実感することが多いです。

ここ最近は勤務先内でも働き方が変わりつつあるので、本勉強会で言われているようなアジャイル、スクラムのアプローチを取り入れてみたり、はたまたより具体的なテーマで壁打ち相手になってもらったりと色々コミュニティに貢献できそうな予感がしています。

*1:開発目標を達成するための課題リスト。機能追加や中長期的な改善など大きめの粒度で管理するのが特徴。

*2:1スプリント間で行う課題のリスト。概ねプロダクトバックログの課題を更に細分化したものを登録することになる。

*3:開発目標に到達したかを測定する指標。プロダクトバックログの課題消化 = インクリメントの達成となることが多い。