2023/06/28 に実施された「#3 はじめての IT 勉強会 in 仙台 (2023)」に参加し、発表者としてライトニングトーク (LT) を披露してきました。
lets-go-study-meeting.connpass.com
上記 connpass にある団体の説明によると、こちらの IT コミュニティは「これから頑張るエンジニアのための入門勉強会!」とのこと。現在、IT エンジニアでも業界初心者でもないため、コミュニティがターゲットとする層からかけ離れている訳ですが、後述する "ある理由" から、今回参加した次第です。勉強会に参加した感想なども交えながら、簡単に振り返ってみたいと思います。
ライトニングトーク内容について
まずはライトニングトークの内容について。
今回は「『エンジニアは性格悪い』について論理的に解説します」と題して、ソフトウェアエンジニアをはじめとする IT 業界に携わる方々が日々行っているであろう、ロジカルシンキングに焦点を当てた内容をお話しさせていただきました。
資料および LT 内では、ロジカルシンキングとカウンセリングマインドの2つの思考法を対比させ、接する相手の状態によって感じ方が変わること、その感じ方によって「性格悪い」と思われる可能性があることの 2 つを紹介。エンジニアならば誰もが陥る「思考の癖」に気をつけ、長いエンジニア人生を「つよつよ」だけでなく、しなやかに過ごしてほしいというメッセージを、この資料ならびに LT での発表に込めています。要は、現在の私から現役エンジニアに向けて送るエールです。
また、資料では「エンジニアが性格悪い」と言われる要素を、エンジニア向け Web メディアでよく語られている「プライドが高い」「マウンティングが激しい」「嫌みったらしい」といった、個人の性格や置かれている環境が色濃く出る内容にはしていません。職能と思考法に着目することで、ネガティブな反応をされても、個人を責めすぎないで欲しいという想いを資料に込めました。
ちなみに、発表タイトルの「論理的に解説します」は、解説系 YouTuber のオマージュ。スベるかどうかギリギリのラインか...と思いましたが、会場の反応は上々だったので一安心。
どうしてこんな発表をしようと思ったのか
続いて、この発表をしようと思った背景ですが、かつて自身がエンジニアだった時の経験や、IT コミュニティ内での対話から「(パソコンと向き合っているイメージが強い) エンジニア職でも、人間関係で思い悩むことが多い」と感じていたため。2 月に参加した「すくすくスクラム仙台」で、他の参加者の方と「職場を辞めようと相談しにきた同僚をなんとかしたい」という話題で対話を行ったとき、自分の中だけで漠然と感じていたことが「これは発表のネタになるな」と確信に変わりました。
そこから 4 か月ほどネタを温めていたところに、本勉強会へ参加できるチャンスが到来。上記の内容を軸にしつつ、エンジニア出身のマネジメント職として語れることを、主たる参加者層である「エンジニア初心者」に向けてチューニングした結果、今回使用した資料ができあがりました。
エンジニアではないのに何でこの勉強会に参加したのか
そして、現在エンジニアではない私がこの勉強会に参加した理由ですが、ズバリ「自分の仕事の顧客を観察するため」というメタ的なもの。
というのも、現職では経営管理職としてエンジニア組織作りやエンジニア達の 1on1 を担当しており、円滑な業務遂行のためには、最前線で働くエンジニアの考え方や流行を理解するが必須。加えて、採用や教育にまで視野を広げた場合、経験が浅いエンジニアやこれからエンジニアを目指す学生が何を思うのかを知っておいて損はありません。
何よりもこれらを行う自身の成長には、人に対する深い洞察力が必要。それを鍛えるには、オンラインミーティングも良いですが、対面で、感情の機微を感じ取りながら対話を深めるのが一番。それが可能となる機会がすぐそばにあるなら、利用しない手はない...ということで、今日に至ります。とはいえ、何も持たず参加するだけでは、コミュニティの価値創出に貢献せず、価値が下がる一方なので、今回の LT 資料を用意したという訳です。
なお「人に対する深い洞察力」に関しては、MBA スクール在籍時、田坂広志氏の講演を聴いてから大事にするようにしています。その重要さは、著書「なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか」の中で、ご自身の経験をもとに解説されていますので、興味がある方は読んでみてください。
勉強会の内容について
ここまでは、私の発表内容とその背景についての解説でしたが、ここからは勉強会の内容について簡単に紹介します。
今回の内容は、参加者による LT 数本と、主催によるオライリー・ジャパン「リーダブルコード (Dustin Boswell、Trevor Foucher 著、角 征典 訳)」の解説の2本立て。リーダブルコードの解説は章ごとに行っており、今回は第4章「美しさ」を解説しています。
個人的には、解説が一通り終わった後に行われた、オンラインからの参加者も巻き込んだ「美しいコードとは何か」の議論が、大変興味深かったです。特に変数名は担当する方のこだわりや属性が色濃く出るポイントで、数学者は数式通りすることを重視するが、エンジニアは検索性や可読性を重視する、といった話題は目から鱗でした。
感想・まとめ
本来の参加対象ではないことを重々承知の上で参加した本勉強会でしたが、会場でのリアクションや SNS 上での反応を見る限り、コミュニティの価値創出に貢献できたようで一安心。勉強会の主催者曰く、通算 100 回目の記念すべき回だったそうで、計らずとも栄誉ある回で発表できたことは光栄に思います。
直接エンジニアリングに関わらない話題に、どこまでの需要があるかは未知数ではありますが、機会があればまた知見の共有に伺いたいと思っています。次やるとすれば STO (Social Tech Officer) とかその辺の話題にしようかな...?