2024年8月21日のデジタルキューブグループ note にて、私が執筆した記事が公開されました。
中身は公開日から少し遡る2024年8月9日〜10日に愛媛県松山市で行われた、地方のクラウド活用推進を行う企業間コミュニティ「re:light local」主催イベントの裏側に焦点を当てた「オフショットレポート」なのですが、公開から2週間で「スキ!」の数が20件近くになっただけでなく、周囲から「面白かった!」という声を頂くなど、概ね好評の様子。
本記事は「編集後期」と題し、2024年8月に公開した他記事に触れつつ、当該 note 記事を書く際のちょっとしたエピソードを紹介します。
ニュースか物語か。公式イベントレポートとの棲み分け
当該 note 記事の企画が上がったとき、最初に頭を悩ませたのが「公式イベントレポートとの棲み分け」。
勤務先である株式会社ヘプタゴンでは、自社イベントに関しては可能な限りイベントレポートを掲載するようにしています。これは今回の re:light local 愛媛イベントも例外ではありません。
作成効率だけを考えれば、公式レポートのリライト記事を note に掲載するのが一番楽なのですが、広報戦略上、自社サイトにページビューを優先的に集めたかったので、類似の記事で読者を分散させるのは考えもの。
そして何よりも note という媒体の性質を考えたとき、読み手へ事実を発信する「ニュース」ではなく、当該イベントの周囲で発生した「物語 (ストーリー)」の方が共感をもらえるんじゃないか?と考え、内容を変えて棲み分けを図ることに。
その後、いくつかの議論を経て、ヘプタゴンのコーポレートサイトでは「ニュース」としての性質を強めたイベントレポート、note では私を含む「運営側の物語」に焦点を当てたオフショットレポートという2つの記事が誕生。
それぞれ方向性が異なるため、制作コストこそ倍になりましたが、各媒体のコンテクストに沿う情報発信を考える良い機会となりました。
当初は「出張記」の予定だった?「オフショット」の意味を考える
大まかな方針が固まったあと、次に頭を悩ませたのが「 "誰の" オフショットにするか」という話。
当初は「私個人」にフォーカスを当てたオフショットレポート...すなわち「出張記」として企画が立てられたのですが、有名人でも何でもない従業員個人の記録にどこまで需要あるのだろうか?ということで却下。ブログに書くネタが無くなるのをこれで阻止。
note の記事に限らず情報発信を行う際は「媒体」「読者」「ステークホルダー」で三方よしを達成するのが望ましいとされてるため、自グループおよびイベントの主体である re:light local と読者で生まれる関係性を軸に企画詳細を詰め、生まれたのが上述した「『運営側の物語』に焦点を当てたオフショットレポート」です。
とはいえ、記事作成において文章量が足りないとき、それをカバーするネタがないと苦労するので、実際問題として素材を大量かつ幅広く集める必要があるのも事実。
地域ネタや時事ネタはこの用途に最適なのですが、当該レポートでは幸いこれらに頼らず、出張記要素少なめの記事ができて一安心。収集こそしたがストックすることになった素材は「愛媛・松山散策期」として公開しています。
ある意味、腕の見せ所。ライティングの「個性」について
デジタルキューブグループ note を普段更新している広報のタカバシさんから、執筆にあたっていくつかリクエストを頂いていたのですが、その中に「(菊池さんの) 個性が出る内容にしてください」というものがありました。
んん〜言うのは簡単だけど、改めて考え、実践するのは無茶苦茶難しいやつよ、コレ。
ライティングという行為に焦点を当てた場合、最も書き手の個性が見えやすいのは「文体」ではないでしょうか。ただ、会社ブログのような組織主体の媒体や、事実の発信に主眼を置く媒体においては、作家性を抑えた TPO に沿った文体が望ましいと考えています。
加えて、私個人がキャッチーさよりも確実な情報伝達に重きを置いた文章を得意とするため、記事のどこで個性を出すかは大変悩ましい話...でしたが、書き終えた今は「個性を出せるのは文体だけではない」と思ってます。
先述した企画内容の立案や三方よしを満たす「読者」「ステークホルダー」の定義、集めたネタから記事化するものの選定、企画と記事内容の間あるブレの見極めなどなど。
目に見える文体ほど分かりやすくないものの、書き手の意思が介在できるところは、すべて「個性」につながる。
抽象度が高い領域のため書き手の腕の見せ所と言えますが、今回の note 記事執筆は自身のライティングにおける「個性」がどこにあるのかを見つめ直すのに役立ちました。
おわりに
本記事ではデジタルキューブグループ note で2024年8月21日に公開された記事の編集後記と題し、作成時のエピソードを軸とする話を何点か紹介しました。
気軽に始められる一方、突き詰めると奥深いのがライティング。言語化が上手い方には脱帽です...私もまだまだ精進せねばなりませんね。
また、当該 note 記事の主題となる re:light local 愛媛イベントの前には、DevRel/Tokyo で登壇しており、参加レポートを公開しております。是非ご覧ください。