たかげべら

Written by Takahito KIKUCHI

北海道でしか味わえないランニング体験がそこにある「第10回北海道スノーマラソン大会」参戦期

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2024年1月28日に北海道札幌市で開催された「第10回北海道スノーマラソン大会」3kmの部に参加したので、その参戦期です。

moshicom.com

仕事で北海道へ行くことになり、仙台の帰路につく飛行機まで相当な時間があったため参加を決めた本大会。普段、整えられた路面でしか走っていない人の走りは「試される大地」に通用したのでしょうか...。

大会の概要と申し込み方法

「北海道スノーマラソン大会」は、NPO法人ランナーズサポート北海道が運営する小規模マラソン大会。例年1月の最終日曜日もしくは2月の第1日曜日に開催されており、会場である八紘学園 北海道農業専門学校の敷地内に作られた特設コースを走ります。

runsupport-h.org

大会の特徴は何と言っても積雪もしくは圧雪された路面を走ること。不整地かつやや凍結している路面を走るため悪条件なのは間違いないですが、見渡す周囲がすべて白銀の世界の中で走る体験は冬の北海道のような雪が深い場所でなければ味わえません。北海道スノーマラソン大会はスノーマラソンの草分け的存在と言われており、道内では千歳市や名寄市、美唄市などで開かれているようです。

大会の申し込みはランナーにとってはお馴染みランネット...ではなく、同じ会社が運営するイベント運営・管理サービス「イーモシコム」から。ランネットに登録がある方は同じユーザー ID でログイン可能なため、私はこの方法で参加登録を行っています。

12月中旬には飛行機の発着を含むスケジュールが固まっていたため、同時期に本大会の申し込みを行っているのですが、この時点で10kmの部は満員で申し込みできず。定員500名の小規模大会とはいえ、開催1ヶ月以上前で満員なのは、道内のランナーからの高い関心が窺えます。会場が札幌駅から20分ほど地下鉄に乗れば行ける、比較的好立地なのも関係していそうです。

最寄り駅の東豊線福住駅
最寄り駅の地下鉄東豊線 福住駅。終点なので方向さえ間違えなければ行くのは簡単。

大会結果

そんな本大会の結果は16分30秒で無事完走。1kmあたり5分30秒のため、整えられた路面で行うマラソンと大差ないペースで走っていたことになります。

記録証

コースは比較的直線が多くて走りやすそうな印象を受けますが、折り返しにかけて下っていくので意外と体力を持って行かれます。また、ポプラ並木を抜けた後がやや傾斜がある坂道と高架下による路面凍結、そしてほぼ90度のカーブが組み合わさり、転倒の危機が高い一番の難所なのも特徴かもしれません。

コース
同大会のパンフレットよりコース。走ってみて分かったことが沢山ありました。

走る際の戦略は「いのちだいじに」ではありませんが、初参加なので兎にも角にも安全重視を心がけていました。本大会も他の大会と変わらずウェーブスタート制を敷いており、事前申告したタイムでスタート位置が変わると読み、安全にスタートを切れるよう「30分」でタイムを申告。3kmを走るにしては相当遅いタイムなのですが、当日は目論見通り最終ウェーブからのスタート。願いが叶ったかどうかは定かではないものの、上位集団のデッドヒートに巻き込まれずスタートし、怪我なく完走できたため良かったのではないでしょうか。

また、あえて後方からスタートしたのは、大会の特徴である一面銀世界で走る体験を堪能したり、仮装して走る他のランナーとの挨拶を楽しんだりするファンラン視点からも項を奏しました。こうした「ちょっとしたゆとり」を通じて大会の良さに気付けたのは最大の収穫かもしれません。

3kmの部スタート直前の模様。老若男女合わせて200名近くのランナーが走ります。

小規模大会ながら食の魅力が充実

本大会は仙台国際ハーフマラソン大会など、普段参加しているようなシティマラソンと比べると規模こそ小さいですが、北海道らしい食の魅力がギュッと詰まっています。

まず、受付を終了するとパンフレットとともに、道内のお菓子メーカー「もち処 一久」の「カラダ餅」が配られます。地場メーカーのお菓子という時点でポイント高いのですが、サイズや栄養素がよく考えられている非常にありがたい一品です。

そして大会パンフレットには「ジャガイモ引換券」が付いており、テントの張り紙が貼ってある箇所に行くと、会場の北海道農業専門学校で育てられた新鮮なジャガイモを参加賞として貰えます。なんて北海道らしい参加賞なんだ...!

完走後は暖をとるスペースで同校が育成した乳牛の良質な生乳を使用した「ツキサップ牛乳」が購入可能に。マラソン後でも飲みやすいサラッとした飲み口で、栄養補給にはもってこい。

また、キッチンカーも少数ながら駐車しており、その中からカレーパン専門店「かれーときんぎょ」の半熟卵入りカレーパンを購入。寒空の中食べる熱々のカレーパンもまた美味です。

着用したアイテムの紹介

今回は極めて特殊な環境下での大会だったため、着用したアイテムを最後にご紹介します。

まずシューズですが SALOMON の「アルファクロス5 GORE-TEX」を着用。アシックスのスノーターサーなど雪道用ランニングシューズは少数存在するものの、本州ではニーズがないため店売りされていないのが現状。Amazon をはじめとするネット通販でも入手困難のため、諦めてトレランシューズで対応することに。

その中でも本品を選んだのは「1万円前後でゴアテックス素材かつ、テック系シューズとして普段履きできるフォルム」だったのが一番の理由。

靴のアッパーや縫い目から雪が染みないようゴアテックス素材を必須とし、その中で悪路でも食いつくソールを持ち、普段履きもできそうなものを探した結果、これに行き着きました。整えられた路面での試し履きではやや重い印象があったものの、本番中はあまり気にならず、重さのおかげで安定して走れたのかなと思ってます。

続いて上下のウェアはミズノのブレスサーモを使用したジャケットとパンツを着用。特にアウターはノースフェイスのレッドランフーディーあたりを買おうかとも思ったのですが、着用する機会に疑問を持ったので比較的安価に買える類似仕様の「テックフィル ハイブリッド ジャケット」にしました。

テックフィルハイブリッドジャケット着用の様子。身ごろだけモコモコしているのが特徴。

ヒートテックのような発熱素材を使用しているため寒さには困らなかったのですが、天気に恵まれたことや、起毛素材のランニングタイツを中に着用していたのもあり完走後は汗だくに。結果論ですが、もう少し薄手のウインドブレーカーでも良かったと思っています。

ソックスもウェアと同じくミズノのブレスサーモを使用した「アーチハンモック 中厚パイルソックス」を着用。冬仕様かつサポートが効いたスポーツソックスは選択肢が少ないので、上下ウェアと合わせてミズノ製のものを選択。足のアーチが崩れる感じが無かったですし、履いてて寒さを感じることも無かった良い一品です。

寒さ対策としてウェアに加えてビーニーとネックウォーマー、手袋をそれぞれ着用しています。ビーニーはノースフェイスの「ラディアルウールビーニー」です。フリース素材で作られたランニング用のビーニーも持っているのですが「めちゃくちゃ寒かったらどうしよう...」と思い、防寒力が高いこちらを今回は選択。ただ上述の通り、天気に恵まれたのでランニング用のビーニーでも良かったかもしれないですね。

ネックウォーマーと手袋はそれぞれアンダーアーマーの「UAリバーシブル ネックゲイター」「UAストーム ライナーグローブ」を使っています。買ってから数年経ちますが、軽量かつ本州で使う分には十分な防寒性があるので不満はありません。

まとめ

初めてのスノーマラソンでしたが、十分に準備したこともあり、不満のない走りができました。また、数千人規模の大会ではない小規模大会に出るのも今回が初めてでしたが、細かいところに良さが垣間見れて、総じてまた参加したいと思える良い大会だと思っています。走るだけではないマラソン大会の良さを満喫するために、こうした特色ある小規模大会を探してまた出走したいモチベーションが既に高まっているところです。