たかげべら

Written by Takahito KIKUCHI

エンジニアからの転身。多角的な視点で地域社会に貢献するゼネラリストのストーリー

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今回、プロボノ活動などのご縁で知り合ったライターさんから「是非取材させてほしい」と言われ、記事タイトルのテーマでインタビューを受けました。エンジニアからゼネラリストに転向する人は少数派に加え、地域社会への貢献にまで目を向けているのは珍しいと、目に留まったようです。

インタビューでは多様な生き方や、その中で「学び」や「成長」を獲得する秘訣を話しましたので、ぜひ最後まで読んでください。

インタビュー本編

地域社会貢献で得られたゼネラリストとしての「外のものさし」

-- よろしくお願いします。まず初めに、地方の中小企業や社会課題解決団体に興味を持ったきっかけを教えてください。

地方、特に私が住む東北地方は高齢化や過疎化、産業空洞化など社会課題先進地といわれています。しかし、これらは自治体の補助金やボランティア頼みの、持続可能でない形でしか取り組まれていないのに課題を感じ、事業でこれを解決しようとする企業や団体に注目するようになりました。

-- なるほど。地域の持続可能な発展に高い関心を持っているのですね。そこから、そのような団体へのプロボノ活動を通じて、どのような発見や学びを得られたのでしょうか?

プロボノ活動は、2020年頃から仲介団体を通じて参加しています。そこでは IT やマーケティング、製品企画など自身の専門性を生かせる場をいただけたと同時に、地域からイノベーションを起こそうとする団体の、非合理ではあるが周囲を動かす不思議な熱量を直接感じ取れました。

これらの団体が持つ人や社会を動かす魅力は、プロボノ活動に参加しなければわからなかったと思います。

-- 確かに、長期的な視点で地域社会や社会全体に貢献するのは「持続可能な成長」にとって重要な点ですね。プロボノ活動で培った経験が、営利活動と社会貢献のバランスを取る際の参考になっていると伺えます。

生き急ぐ現代だから考えたい「しなやかな生き方」

次に、菊池さんがやってきた「多様な生き方」を10代や20代の方へ伝えるなら、どんなメッセージで伝えますか?

私の活動領域は、IT や経営をはじめとする実ビジネスを動かす領域と、実ビジネスで培った経験を生かして社会活動家への支援や一般市民への教育を行う非営利領域の2種類あります。

本業だけでキャリアを重ねると思考の固定化が進んでしまい、融通が利かなくなるだけでなく、挫折してしまったとき、世界の全てが終わったかのような感覚に陥ります。こうして自身の活動領域を対照的に広げることは、自身の視点、視野、視座を高く持つだけでなく、キャリアで挫折してしまった場合の選択肢を持つのにも役立つでしょう。

ですので、若いときは積極的に「外のものさし」を獲得しに行ってほしいと、今なら伝えますね。

-- それはとても興味深い考え方です。異なる領域での経験で柔軟な思考や幅広い視野を養える点が、自身の成長やキャリアにとって大きな価値を持つのですね。最後に、若い世代に向けてアドバイスや励ましの言葉はありますか?

現在の10代から20代の方は「タイパ」に代表されるように、生き急いでいる印象を受けます。タイパの考え方は極めて合理的なのですが、長い人生には予測不能な出来事が数多くあります。社会人としてキャリアを重ねるのもそうです。私が10代や20代の頃は、今のようになると全く思っていませんでした。

しかし、予測不能な人生だからこそ、私は今、複数の活動領域を得るに至っています。思いがけない出会いも自分のチャンスに変えていく力強さとしなやかさを、若い世代の方たちは意識して生きて欲しいですね。

-- 素晴らしいメッセージです。確かに、人生には計画外の出来事や変化がつきものであり、その中から新たなチャンスや成長が生まれることがあります。柔軟さと適応力を持ちながら、予測不能な状況にも立ち向かい、その中で新しい可能性を見出すことが大切ですね。

その経験と洞察は、多くの人々にとって示唆に富むものとなることでしょう。貴重なお話をありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

取材後記

私たちの日常は多様な価値観や関心を持つ人々と交わり、広範な分野にわたるチャンスが広がっています。これを象徴するかのようなストーリーが、菊池さんにはあります。彼の生き方は、多様な興味や経験を通じて、地域社会や社会全体への貢献の大切さを浮き彫りにしました。その経験から紡ぎ出される言葉からは、未来のために柔軟で前向きな姿勢こそ、個人と社会の成長を促進する鍵なのが伝わってきます。

菊池さんの持つ考え方や生き方は、地方の独自性を持つ中小企業や社会課題解決団体に注目し、営利性だけでない「外のものさし」を大切にするゼネラリストとして活動するに相応しいものではないでしょうか。

あらためて貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

おわかりいただけただろうか

ここまで私のインタビューを読んでいただきましたが、いかがでしたでしょうか。このような素敵なインタビューを行ってくださり、文字にまで起こしてくれた素敵なライターをここでご紹介したいと思います。

インタビュアーの正体

インタビュアーの正体は ChatGPT です。

とある場所に掲載される私のプロフィールと一緒に以下のスクリプトを与え、インタビュアーのロールプレイをさせた結果から本記事を作成しました。

これからロールプレイを行います。あなたはインタビュアーで、私はインタビューを受ける人です。以下に私のプロフィールを掲載します。プロフィールの内容に基づいて、私の仕事観やキャリアを質問で深掘りし、様々な情報を集めてください。ただし、質問の内容は簡潔かつ、一度に複数の質問をしないでください。

プロフィール: (以下略)

冒頭の導入文とマルチターンの会話を成立させる追加のプロンプト*1、不自然な文章修正以外はすべて ChatGPT から生成された文章がベースです。OpenAI 社が行う会話形式で文章を出力するエンジニアリングと、スクリプトでのロールの付与 (role prompting) がかなり効いているように見えます。

一方でロールを付与したせいか、プロンプト1個あたりの認識精度と回答精度が若干落ちている印象が少なからずありました。特に「1個の出力に質問 (クエスチョンで終わる文章) を2個以上にするな」という指示はほぼ無視されています。人の目から見て期待通りの出力を得るには、まだ AI に寄り添った形でのプロンプトで書く必要がありそうです。

おわりに

生成 AI を使った試行錯誤の一環として ChatGPT を活用したインタビュー記事の作成に挑戦してみました。結果、プロンプト解釈の癖や限界のようなものが見えてきて、示唆に富む内容だったと思います。

プロンプトを作る際の参考資料として Prompt Engineering Guide などに目を通しているつもりですが、知識が実感を伴わないのはまだまだ試行錯誤が足りない証拠です。「100回の会議より、1回の API call の方が理解が進む」ではないものの、世の中にあるものでアイデアを試してみる重要性を改めて感じた一幕でした。

www.digital.go.jp

*1:「インタビュー本編」で、私の回答のように見えているのが追加のプロンプト